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2012年12月5日水曜日

t.c. electronic Desktop Konnekt 6

SUB TITLE IMAGE 最近は“特化型”の良品質な製品が増えてきて嬉しいですね。
そろそろ24/44システムに移行したいなと思っているのでいくつかのオーディオインターフェイスを試用中です。

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メーカー :
 t.c. electronic
製品 :
 Desktop Konnekt 6
シンセサイザーを中心とした電子楽器とパソコンをつなぐオーディオインターフェイスは、接続端子規格である USB2.0 と IEEE1394 の普及と Windows/Mac 両プラットフォームと DAW ホストアプリの円熟しつつある技術とアップグレードにより、年数を重ねるごとに低価格高性能化を重ねてきています。
加えてマルチコア CPU の台頭により、ソフトウェアシンセサイザーがその利便性とノイズレスの優位性からユーザーのハードウェア所有台数を減らしています。
それはアウトプットとインプットの数を減らすことになり、オーディオインターフェイスで最近良く見る新製品もアナログ 2IN~4IN の製品が増え、パソコン+小型のオーディオインターフェイス+入力用のシンプルな MIDI コントローラーという省スペースな DAW/DTM スタイルに移行する人も増えたようです。

t.c. electronic Desktop Konnekt 6 かつて我が家でもというか、たった 3 年ほど前にはアナログ INPUT が 16 入力でも足りなくて、もう一台 01V を購入して 2 台のカスケード接続にするかいっそのこと 32 入力タイプのミキサーでも導入するかと悩んでいましたが、ふとケーブルの数を見てみると S/PDIF のデジタルケーブルが 2 本とアナログケーブルが 3 本にマイクが 1 本です。最近では 01V の入力端子の半分が埃防止の目隠しテープを貼ったままになっており、このくらいの入力数で足りるのなら手軽な小型オーディオインターフェイスへ移行してしまおうかなと考えています。

問題なのは、気づいたらもう 6 年も 01V のマイクプリとその内部プロセッサーの音質に慣れきっているのでそれを変更することの不安感なのですが、24bit/44KHz での録音とミックス作業の音質の良さを実感することも多く、完全にそのフォーマットに対応できない 01V(内部 20bit/44KHz まで)なんだけれども、とにかく信頼できるその性能という素人なりの悩みの板ばさみ状態でした。

tc electronic Desktop Konnekt 6 そんなことを言っていてもいつかは新しいシステムへ移行していくものですので、まずはその最近の小型オーディオインターフェイスの音質はどんなものだ?ということで t.c. electronic 社の Desktop Konnekt 6 を購入してみました。 自分の意見を主義主張できるほど自分の耳に自信がありませんので YAMAHA 01V に比べてどんな感じかというレポートにしたいと思います。

聞き比べたのは、私のミックスのリファレンス CD にしている宇多田ヒカル / SINGLE COLLECTION VOL.1 です。
比較したテストはこんな感じです。

1A.パソコン CD → S/PDIF デジタル接続→ 01V(D/A)→ MSP5A
1B.パソコン CD → IEEE1394 接続→ Desktop Konnekt 6(D/A)→ MSP5A

2A.Waldolf Q デモ PLAY →01V アナログ入力→ 01V(D/A)→ MSP5A
2B.Waldolf Q デモ PLAY →Desktop Konnekt 6 アナログ入力→ Desktop Konnekt 6(D/A)→ MSP5A

1A は 5 年以上にわたり聞きなれた音です。そして今回導入した Desktop Konnekt 6 経由での音は 01V に比べてまず 30-50Hz あたりの低低域が締まった感じで聞き取りやすくなり、ハイハットやシンバル付近の 5~7KHz の音が明瞭になりました。ボーカルはセンターの定位感が強い感じです。全体的に 01V 経由の音よりも各音域がはっきり聞こえます。傾向としては 01V に比べるとドンシャリというか派手気味ですが、はっきりとドンシャリ傾向という感じではなく“くっきり感がしっかりしている”とでも言えるでしょうか。

tc electronic Desktop Konnekt 6 2 の比較ではマイクプリの音質も兼ねますが、やはり中域の定位感と明瞭さが 01V に比べてしっかりしていて低低域と高域の“立った感じ”が印象的です。今までは普通のリスニング CD も 01V 経由で聴いていたりしましたが、Desktop Konnekt 6 だとミックス用とリスニング用でモニタースピーカーを用意した方が良さそうです。要は“ぼかしが少なめなので耳が疲れる”という感じです。

両比較においてモニタースピーカーを SONY MDR-CD900ST のヘッドフォンに置き換えてみましたが、これは Desktop Konnekt 6 の方が 900ST のキャラクターに合います。ジャズ指向やクラシック指向のヘッドフォンなら 01V かなという印象でした。

それにしても、この手元で操作できるビックボリュームは触りやすいしカッコいいです。他社の似たカテゴリーの製品もビックボリュームを採用していますが、実際に手元に置くととても使いやすいです。ヘッドフォン専用のボリュームノブや、DAW と Desktop Konnekt 6 入力のボリュームバランスノブなど再生することに特化されているインターフェイスはすごく使い心地が良く、ビックボリュームは“摘む”のではなくて指を添えて回す感じの軽いダイヤルなところも使いやすさ感をアップしています。

付属のソフトは TC NEAR という同社製品共通のデザインです。Desktop Konnekt 6 は入出力は少ないので特に難しいことはありません。ASIO ドライバーを使用すると同時に他の ASIO オーディオインターフェイスを使えないという条件もあるため(回避している DAW ホストや製品もあるそうです:未確認)、すでに多チャンネルのオーディオインターフェイスを使用している人には追加でというわけにはいきませんが、ソフトウェアシンセや VST プラグインだけで制作していたり、非 ASIO ドライバーの方にはお勧めできる製品だと思います。

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