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2012年12月14日金曜日

DAW的にWindows XPをチューニング

現在の最新OS(Windows 8)では、DAW / DTM関連ソフトもすでに64bitが主流で、このページの設定はXP 32bit用の覚え書きです。7、8環境の人は参考にしないようにお願いします。

OSの世代が2つも違うとさすがにOSと"音"に関する部分もかなり進化してそうですが、Windows XP+ASIO2.0ドライバーの組み合わせによってOSのサウンドドライバーを使うことなくDAWホストソフトウェアとオーディオインターフェイスが直接データーを送受信することができるようになりました。

進化したオーディオドライバーを持つWindows 7ですが、基本的にはXP+ASIOをOSレベルでサポートしただけでDTM / DAW的には進化を感じることができません。
唯一XPから7へ移行して良くなった事といえばファイルシステムの進化によってファイルの読み書きとコピーがXPから体感できるほど速くなったということでしょうか。

ですがそれもOSがいわゆる"インタラクティブ"に進化したゆえのシステム自体のメモリー使用量の増大でデスクトップテーマにランチャーやウィルスソフトなど取り立てて軽量化しなくても400MB程度のメモリー確保で常用状態となるXPの"軽さ"と相殺されている感もあります。

そして最後にWindows 7で本格化したOSのネイティブ64bit化ですが、リリース後2年ほどしてもDTM / DAW的にはそれほど専用ハードウェアやソフトウェアが素早く対応したわけではなく、安定という意味ではハードウェアとの連携を考慮するともうしばらくは32bit OSの方が安定していると言わざるを得ないようです。

そんな中での「次のWindows 8までは結局Windows XPでやるかなぁ」と感じるXPの設定の忘備録です。

■DAWパソコンでのビデオカード必要性
■ライトコンバインは有効?無効?
■大容量メモリー時代の仮想メモリ
■書き出しはRAMディスクへ
■Windows XP起動オプション


■DAWパソコンでのビデオカード必要性

世代が代わり、HD6450やHD7550といった新世代のファンレスカードがリリースされています。
パソコン的に高負荷状態のときに、調整のためにプラグインウィンドウを開こうとすると「真っ黒画面>。<」なんてこともありませんか?
DTM /DAW的にはビデオカードの"機能そのもの"は重要ではなのですが、やはりオンボードやCPU内蔵のビデオチップだと、高負荷時にはピークメーターがカクカクしたりノブやスライダーの反応が鈍くなったりしていまいます。

そういうときにさほど高性能でもないビデオカードでも追加で挿していると、かなりそういう高負荷状態での描画の不安定さが改善というか皆無になります。
しかも別に最新のリアル3Dなゲームのためということではありませんので、ファンレス1スロットの低スペックビデオカードで十分です。

現在、Windows 7にも対応なATI RADEON HD5450を使用していますが、ファンレスだし3千円前半だし、デュアルモニターも構築できるしとコスパ高いです。

ATI製 Radeon HD5450搭載
玄人志向 RH5450-LE512HD/HS:http://www.kuroutoshikou.com/modules/display/?iid=1477


■ライトコンバインは有効?無効?

これはライトコンバインは無効にするのがPro Toolsや他のDAWホストでもメーカー推奨の設定でしたが、DirectXというWindowsの描画システムやチップセットの変異により、個人的に最近実感しているのが、

intel CPU(Core2Duo/Quadなど)にintelチップセット(intel G31 P45など)にWindows XP SP3の普通にWindows Updateをしていれば、

ATI RADEON HDシリーズではライトコンバインは有効に

NVIDEA Geforce 6x00、8x00シリーズではライトコンバインは無効に

した方が良かったです。逆にすると描画、操作に対する反応共にカックンカックンでした。

プラグインソフトのレベルメーターの動きや、ノブやスライダーに対する反応やプラグインの設定値変更に対する音の変化の切り替えがワンテンポずれたり表示が躓くのならばライトコンバインのON / OFFを切り替えて確認してみると良いかもしれません。

ただし、マザーボードにオンボードされたりCPU内蔵のビデオチップ搭載型では、システムの中核にどうしてもビデオチップのデータ送受信が絡みますので効果は無いかもしれません。

AMD Radeon グラフィックス:http://www.amd.com/jp/products/desktop/graphics/Pages/desktop-graphics.aspx
NVIDIA GeForce:http://www.nvidia.co.jp/object/geforce_family_jp.html


■DAWパソコンでのビデオカード必要性
■ライトコンバインは有効?無効?
■大容量メモリー時代の仮想メモリ
■書き出しはRAMディスクへ
■Windows XP起動オプション


■大容量メモリー時代の仮想メモリ

メモリーが安くて8GB~16GBなら1万円も出さずに買えるようになりました。ただし、Windows XPでは3GB+αしかOSが認識してくれなくしかも1つのアプリケーションが使えるメモリー量は2GBまでという制限がついています。
ただし、DAWって複数のハードウェアやソフトが連動して動く少し変わった動きをします(詳細な情報は割愛)。

例えばですが大容量PCMデーターを読み込んで和音も出すKONTAKTなどのソフトシンセを複数起動したり、マルチトラックで再生録音できたりと合計2GB以上のメモリーを使用しています。
それを見るとやはり多くのメモリーを実装して使える状態にしたいのですがXPではそれが適いません。 そこで広く知られているOS管理外のメモリーをRAMディスクとして使用するのですが、例えばウチの環境ではチップセットがintel P45なので8GBまで搭載認識できます。

そうすると

Windows XPが認識して使用できる3.2~3,5GBのメインメモリ
残りの4GB~をRAMディスク

として使用できます。
で、先の話に戻りますが、2GB以上のメモリーが動くDAWシステムにおいては仮想メモリ(スワップメモリ)をRAMディスクに2GB程度割り当てるとメモリー不足的ストレスが気持ち減ります。
これがメインメモリ+ハードディスクを使用した仮想メモリだとイライラして仕方無いのですがRAMディスクで仮想メモリを構築すれば結構無理が利く状態になります。

なぜ4GB全てを割り当てないのかは下の■書き出しはRAMディスクへで。

VSuite Ramdisk Free Edition:http://www.romexsoftware.com/en-us/index.html
Gavotte Ramdisk まとめWIKI:http://www10.atwiki.jp/gavotterd/



■書き出しはRAMディスクへ

RAMディスクの半分は仮想メモリにして余ったディスク領域はどうするかというと、ミックスファイルの書き出し用にするのをオススメします。
Pro Toolsでプラグインエフェクターてんこ盛りで2ミックスファイルを書き出しているときに、たまに起きてしまう不具合に、

"ディスクへの書き込みが間に合いません。高速なディスクへ交換するか(以下略"

という、

SSDでも駄目なのか!

な嘆きのエラーで書き出し中止となります。

そこで、書き出しをRAMディスクの空き領域にします。
右図のとおり、圧倒的性能のRAMディスクですので書き込み速度が間に合わないエラーはを見ることは無くなりました。

2mixやマスタリングでのファイル書き出しは1曲5分程度あたり44.1KHz / 24bitでも80MB~100MBですのでメモリ増設をしていない4GB搭載状態でも、Windows XPは3.2~3.5GBしかメモリを認識しませんので500MB~程度のRAMディスクを構築できます。

そうなればプロジェクトファイルもRAMディスクで・・・
これは止めた方がいいです。

2ミックスファイルならばプロジェクトファイルさえあれば何度でも書き出しのやり直しができますが、何時間もかけた作業での録音ファイルやプロジェクトファイルなどの設定ファイルは、さすがに予期せぬパソコンのシャットダウンがあるとRAMディスクは揮発性メモリですのでリセット及びシャットダウンでデータが消去されます。

書き出して納得いくミックス音源ができたらいつものディスクへのコピペを忘れずに。

■DAWパソコンでのビデオカード必要性
■ライトコンバインは有効?無効?
■大容量メモリー時代の仮想メモリ
■書き出しはRAMディスクへ
■Windows XP起動オプション


■Windows XP起動オプション

Windows XPは「これからはインターめんとすな時代だべ」という時期にリリースされたOSですので、その加速的な環境の変化に対してSP2、SP3と大幅に機能が強化されたOSです。
レガシー(古い規格)な製品も動かさなきゃいけないし、かといって最新のネット環境にも対応しなくてはいけないしと、そででも堅実にメジャーバージョンアップすることなくXPとして継続してきました。

DTM/DAW的にはFirewire(IEEE1394)、USB2.0、ASIOドライバーと劇的にハードウェアも進化しました。それに堅実に対応したからこそ、リリース中に一番改変されて一番息長く利用されているOSでもあります。

そんなXPはユーザーがOSそのものの挙動をいじれる部分も多く、OSの起動オプションもその一つです。

2011年、Core2Quad * intel P45 ICH10R * パソコン内外にDAW製作用ボードやらアウトボードやらの状態で設定している起動オプションは

ulti(0)disk(0)rdisk(0)partition(1)\WINDOWS="Microsoft Windows XP Professional" /noexecute=alwaysoff /fastdetect /usepmtimer /pae

です。

●/noexecute=alwaysoff
とはセキュリティ対策としてのデータ実行防止機能でデータ実行領域に迷い込んできたプログラムの実行を阻止するものでデフォルトでは/NoExecute=OptOutとなっていてシステムでの例外的な許可をしています。
DAWではハードウェアを直接制御するASIOやDAEドライバーなどが動作しますので、/noexecute=alwaysoffとしてこれの阻止機能を停止させます。

●/fastdetect
とはOSの起動時の読み込みオプションで特にいじる必要がないのでそのままに。

●/usepmtimer
これは無記入状態だと、動作に関わるハードウェアやソフトウェアの色んなタイマー及びタイミングをWindows XPのデフォルトの設定で実行していくのですが、過去のAPMなどの電源管理設定では技術的な精度の問題でそれらの整合性がとれなくブルースクリーンでOS停止といったことがありました。 それを次の世代のPMTimer(ACPIパワーマネジメントタイマ)に管理を委ねます。
ちなみに/usepmtimerを設定するとパソコンのパフォーマンスが低下すると言われていますが、逆に今どきACPI以降の電源管理ではないパソコンを探すのは大変なので、やはり"ON"が望ましいかと思われます。

●/pae
はOS管理領域外のメモリを認識させるためのスイッチです。これでRAMディスクが使用できるようになります。



DTM / DAWにおいてのパソコンはCPUは能力の限界まで酷使することが多く、流行の仮想コアが役に立たないのはもちろんのこと、実質的な物理コア数と駆動周波数が最大のスペックの要因です。
無料とはいかなくてもなるだけ5千円~1万円程度の出費で費用対効果が大きいものを書き連ねてみました。

今回書いた以外にもXPにも最新のAHCIドライバーというディスク制御のドライバーを導入する手立てがあるのですが、ウチの環境ではその最新ドライバーを入れるととんでもなく不安定になったりします。ちなみにWindows 7ではネイティブでAHCI対応です。

さらには高速なSSDを利用したRAIDシステムの構築もありますが、個人的に低レベルRAIDは信頼性が低いのでこれも導入見送りです。
DTMの目的そのものは"曲を作ること"ですのでやっぱり"ど"安定が一番です。

マルチコアではAMDの方がどうやら先行しそうですので次は久々に「intel入ってない」なのかなぁとか。そもそもDAWと言えばMacだろとか。

最近話題になってる○□にしたら快適になるんだろうなぁよりも"今、安定している。それならスペックが必要十分ならばいじらない"が大事ですね。


■DAWパソコンでのビデオカード必要性
■ライトコンバインは有効?無効?
■大容量メモリー時代の仮想メモリ
■書き出しはRAMディスクへ
■Windows XP起動オプション

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