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フルデジタル+ソフトでのPCとの連携はとても快適だったのですが、ボリュームポッドの位置による音質の変化と歪みがあり、それを最適な位置に毎回合わす事の煩わしさが気になっていました。音源とは無関係なところで歪みが出るのは耐えられないということで、昔の嫌な記憶が蘇るのか?と内心ドキドキしながらアナログミキサーへの回帰を決めたのでした。
コンパクトながらも機能と音質は他シリーズと同じの謳い文句どおり、
ライン入力までちゃんとバランス対応で極めてローノイズを実現しています
当然、アナログミキサーはノイジーでレンジが狭いという固定概念がありますので、いきなり高額機で勝負する気はありません。
これでだめなら貸し出し中の01Vへリターンだな~と思いながら、いくつかのコンパクトミキサーをショップで試聴したりしながら決めたのが、本国では昨年発売、日本では新発売のMackie 802-VLZ3(日本語メーカーサイト製品ページ:http://www.mackie.com/jp/products/802vlz3/)です。
実は以前のVLZシリーズを知っていて“通すだけで音が太くなる!”ってそりゃミックスには困る!と思っていて、今回も新シリーズとは聞いていましたが「Mackieは対象外かなぁ」とか思って試聴してみたら他の機種と比べても全然‘普通’でした。結果、‘ならば新しいほうがいいな’ということでVL3-802購入に至ったわけです。
メーカーサイトによると、ハードウェア呼称のバージョンも上がりました。
XDR2プリアンプは、ピュアでクリーンなスタジオ・グレードのサウンドを実現します。
の新しいプリアンプと、
サイズが小さいからといって甘くみないでください。802-VLZ3は、完全にプロ仕様で、VLZ3の機能を完全装備しています。
とのことで、どんなものやらと思いつつも、これでだめならVLZシリーズよりも1ランク上の音質という噂のONIXiシリーズかなぁなどと気軽な気持ちです。
で、これは良い機会とばかりに、KONNEKT Liveのマイクプリと802-VLZ3のマイクプリを比較してみることにしました。MIDIデーターと音源(ハイハットはAKAI S3200、シンセリードはV-SYNTH GT)は全く同一でそれぞれ録音してみました。
※本当に微妙な差なのでmp3でここに貼り付けるのは止めました。興味がある方は下のファイルをダウンロードしてください。それぞれに分かりやすいファイル名にしています。(44.1KHz / 16bit /wav)
http://edins-design.com/Hiro/music/VLZ3prerec.zip 11.5 MB (12,119,053 バイト)
少しだけ無音部分も入れていますので機器ノイズレベルも分かると思いますが、聞くと分かりますが、こういう場合どちらの主観によって話を進めればいいのやら?です。
KONNEKT Liveが“単体ミキサーに匹敵するレベルになった!”と言うべきなのか、802-VLZ3が”最近のコンパクトミキサーはここまで高音質になった!”と言うべきなのか迷います。
ほんと、ぶっちゃけ“どっちでもいいじゃん!”レベルです。
機器ノイズも802-VLZ3は“これで本当にアナログか?”くらい静かだし、若干ながらKONNEKTが低域が緩く潰れているかな?といった程度です。
両者には大きな違いが一つあって前述のPCとの親和性です。802-VLZ3は当然アナログですから基本は2IN-2OUTでPCとやりとりします。あとPC画面での操作はありません。必要なルーティング、例えばオケを聞きながらソロパートのみをPCに送って録音するみたいなことは送るバスの選択スイッチなどを使って行います。
このあたりは“慣れ”の問題で、私はずっとハードミキサーを使っていたので、そっちの方がいちいちマウスを持たなくてもいいという作業の継続性とソフトウェアのトラブルが当然無い!ということからやっぱりアナログミキサーはいいもんだと802-VLZ3を使い始めてから実感しています。
↑このようにホントにコンパクトで設置場所には困らないです。
ちなみにアウトプットの音質は、旧VLZシリーズみたいに低域は勝手に太くなりません(笑)
そのフロアノイズの低さも手伝って非常にクリアで素直な音質です。
両方所有なので贔屓目とかは無いつもりですが、キックやシンバルのリバーブなどを聴くと低域と高域ともに両端の部分でKONNEKTより広く下から上まで出ている印象です。
ダイナミックレンジに関してはルーティングがアナログからデジタルに変わったので一概に比較はできませんが、これもKONNTKTに比べてより音量の微妙な大小が聞こえる気がします。
あとは最初に書いたとおり、ボリュームフェーダー(802-VLZ3はノブ)の上げ下げで音が歪んだり音質が変わったりの気になる部分は当然802-VLZ3にはありませんでした。
ここまで今時のコンパクトアナログミキサーの品質が高いとは正直思っていませんでした。これは次の機会には上位機種や他のメーカーのアナログミキサーの導入を考えたいなぁと思いつつ、しばらくはこれで思わずテーブルを叩いてしまうトラブルからは開放されそうです。
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