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マスタリングのときに使っているプラグインソフトは取り立てて専用というわけでもなく制作やミックス時にも使えるのですが、その高精度な性能ゆえ、いつの間にか販売サイトでも“マスタリングクオリティ”などと銘うつものも多くなりました。
で、今回は、どう思い出してもミックス時に使ったことはないけどマスタリング時にまず最初に挿すEQ(イコライザー)のFlux Epure II(本家サイト製品ページ:http://www.fluxhome.com/products/plug_ins/epure2)です。
FLUXはパリの会社ですので金額設定の基本がユーロなので数年前までは円に対して(円:ユーロ)が1:2~とあり、ドル基本の会社のプラグインに対してかなり割高感があったのですが、ここ数年は1:1.1~ほどにユーロ安が進みやっと手が届く価格帯になってきました。
個人的には、このFlux Epure IIはもちろん素晴らしいクオリティのEQプラグインですが、スタジオ互換でTDM版も出しているからという理由が性能機能の次の購入理由でした。
そういう理由が必要ない人はFabFilter Pro-Q(本家サイト製品ページ:http://www.fabfilter.com/products/pro-q.php)もEpure IIと似た傾向の“とにかくピュアクリーン志向”のEQであり、パソコンの負荷状態に合わせて自分でゼロレイテンシーかリニアフェィズモードまでソフトの精度を4段階で切り替えられたり、バンド数も24ポイントだったりM/S(ミッド・サイド)からゲイン±48dbとEpure IIを圧倒的に凌駕した性能です。
もちろんカタログを見ただけで書いているわけではなく、しばらく使ってみてPro-Qもレイテンシーは必要だけど高精度モードで動かせばすごくクリーンで原音を損なうことなくイコライジングし、ポイントを動かしたときの“音”の変化の挙動がEpure IIそっくりだなぁと感心したのです。
この手のプラグインは開発リリース時期が2年とか違うとやはり新しいものは安くて良くなっていますね。
Epure IIに話を戻すと、TDM版もあるということでコチラを選んだわけですが、とにかくこの手のクリーン系EQはゲインを“下げる”方向に関してはその周りの周波数帯に影響させることなく狙ったポイントを的確に綺麗に下げてくれます。
スペック上のゲイン幅は±24dbですがプリマスタリングの段階においてそこまで使うことは無く、深めに使ってもせいぜい3~4db程度です。そしてQ幅は変に可変するわけではなくリニアと言えばいいのでしょうか、ノブを回した分だけ狭く-広く可変してくれます。
周波数帯を持ち上げる方に関してはやはりデジタルソフトウェア上での周波数いじりということで少し音が丸くなる傾向の癖がつきます。下げるよりも上げる方がよりQ幅を広くゲインを多めにしないと効果が分かりにくいといった感じです。
後日、記事にできると思いますが、やはりEQで音域を上げる方はアウトボードもしくは最近リリースされ始めたパッシブタイプのEQプラグインなどがオススメです。
そんなわけで、あまりEpure IIの事を取り上げた記事ではありませんが、2ミックスファイルをプリマスタリング工程においてまず最初に同アルバム内の他の楽曲と質感を揃えるための低域、高域の処理ではFlux Epure IIはどんな楽曲にも合う色づけが少ない素晴らしいEQです。
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