開発においてVSTという共通フォーマットで制作できるソフトウェアシンセサイザーは、数多くのシンセサイザーベンダーを生み出しています。
その中で自分に合ったモノを取捨選択していくのが楽しい時代になってきました。
インストールして最初に思うのが、
「え?これだけ?」
です。オシレーターにしてもフィルターにしてもこの見た目以外にスイッチで切り替えるような裏画面は無く、
オシレーター 1、アンプエンベローブ、オシレーター 2、フィルター
これが主要な“ツマミ”というわけです。
なのに、サイトデモ(ページ右側にプレイヤーがあります)や実際の DEMO 版を触ると、とにかく音が良いのでしばらくパッチを切り替えながら演奏したりいじってみると徐々に Sylenth 1 の構造が見えてきました。
下部に 2 つのエンベロープと 2 つの LFO があり、これらはそれぞれ 2 系統出力できるので「好きなように使ってね」となっています。
現段階のバージョンではフィルターのタイプが、Highpass、Lowpass、Bandpass にそれぞれ 12db と 24db の切り替えだけで、せめて Lowpass は MOOG タイプとかもう少しバリエーションが欲しいなと思わせたり、オシレーターも特に特徴的な事ができない普通のアナログシンセサイザーの踏襲となっていて、どちらかというと簡易版的な構造のシンセサイザーです。
前記のエンベロープと LFOの マトリックスモジュレーションにしても 2 つずつでは最近のハードウェアシンセにも負けている気がしますが、“何となく音が良い”のです(笑)
ということで、マニュアルとサイトの Sylenth 1 についてを読んでみると、
At its core Sylenth1 houses 4 alias-free unison oscillators, which generate analog shaped waveforms.
となっています。この alias-free の部分が肝だったりします。波形出力で alias-free を使用しているということはサイン波合成( FM ではありません)のタイプで古き良きハードシンセと同じ波形出力ということです。
よく使う SAW 波(ノコギリ波)は本来は奇数周期のサイン波を重ねて SAW 波を出力するのですが、このときにデジタルでの計算では無限に奇数倍して計算をさせるわけにはいきません。しかも A4(ラ)は 440Hz で次の奇数倍は 880Hz ・・・となっていきますが、A2 だと 110Hz から始まり次は 220Hz ・・・という具合いですので、ややこしい話ですが音階の高低によって SAW 波は Sine 波を重ねる回数を調整しなくてはいけません。
このときの重ねる回数の上限と上限の低さによっておきるデジタル的なギザギザを滑らかにするために必要な処理を行うからこそ alias-free unison oscillators と説明書に書けるのです。ただし、最近の“音が良い”と言われる VA(ヴァーチャルアナログ)ソフトシンセは大抵この昔ながらの名機と呼ばれたアナログシンセの音源形式を模倣していますので“ Sylenth 1 だけが”ということではありません。「普通に真面目に作ってあるな」くらいの先入観で良いと思われます。
話が脱線しますが安い廉価版アナログシンセだとその“調整”がメンドクサイので出来上がった SAW 波出力機を使ったりします。
幅広く音作りができるかというと現段階では、構成する部品の少なさからあまり凝ったことはできませんが、普通に真面目に作りこんだオシレーターと「厚みが欲しければ重ねればいいじゃん!」的な音作りへのアプローチでとても良い音がするシンセサイザーになっています。
中央のディスプレイもここに選択したパラメーターの裏メニューがあるとかではなく、現在選択している(マウスや MIDI コンで動かした)パラメーターの数字が表示されるのみと、エフェクターの設定画面というシンプルな構成です。
エフェクターの効き具合はいまどきの感じで個人的には気に入っているのですが、イマイチ画面と数字の使い勝手は違和感があります。どちらかというとさっさと MIDI コントローラーに CC アサインして耳で聞きながら調整した方が分かりやすいです。
最後に、アナログモデリング系ソフトシンセらしくアプリの起動は“重い”部類です。ものすごく適当ですが同じ VA タイプのソフトシンセである refx Vanguard(http://refx.com/?lang=en&page=products/vanguard/summary)に比べると同時に立ち上げられる数は半分といった感じですが、これはバージョンアップの度に前述の GUI(ユーザーインターフェイス)に関する部分を含めて良くなっていますので、今すぐ使ってみたい人は先行投資で、安定を求めるのなら将来出るであろう V3.0?(現在 V2.2 )あたりで試してみるのも良いかもしれません。
物足りない感じはするけれども分かりやすい。Vanguard もそうですが Sylenth 1 は音作りがチョイチョイと軽くできる良く出来たソフトだなぁと思っています。
その中で自分に合ったモノを取捨選択していくのが楽しい時代になってきました。
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「え?これだけ?」
です。オシレーターにしてもフィルターにしてもこの見た目以外にスイッチで切り替えるような裏画面は無く、
オシレーター 1、アンプエンベローブ、オシレーター 2、フィルター
これが主要な“ツマミ”というわけです。
なのに、サイトデモ(ページ右側にプレイヤーがあります)や実際の DEMO 版を触ると、とにかく音が良いのでしばらくパッチを切り替えながら演奏したりいじってみると徐々に Sylenth 1 の構造が見えてきました。
前記のエンベロープと LFOの マトリックスモジュレーションにしても 2 つずつでは最近のハードウェアシンセにも負けている気がしますが、“何となく音が良い”のです(笑)
ということで、マニュアルとサイトの Sylenth 1 についてを読んでみると、
At its core Sylenth1 houses 4 alias-free unison oscillators, which generate analog shaped waveforms.
となっています。この alias-free の部分が肝だったりします。波形出力で alias-free を使用しているということはサイン波合成( FM ではありません)のタイプで古き良きハードシンセと同じ波形出力ということです。
よく使う SAW 波(ノコギリ波)は本来は奇数周期のサイン波を重ねて SAW 波を出力するのですが、このときにデジタルでの計算では無限に奇数倍して計算をさせるわけにはいきません。しかも A4(ラ)は 440Hz で次の奇数倍は 880Hz ・・・となっていきますが、A2 だと 110Hz から始まり次は 220Hz ・・・という具合いですので、ややこしい話ですが音階の高低によって SAW 波は Sine 波を重ねる回数を調整しなくてはいけません。
このときの重ねる回数の上限と上限の低さによっておきるデジタル的なギザギザを滑らかにするために必要な処理を行うからこそ alias-free unison oscillators と説明書に書けるのです。ただし、最近の“音が良い”と言われる VA(ヴァーチャルアナログ)ソフトシンセは大抵この昔ながらの名機と呼ばれたアナログシンセの音源形式を模倣していますので“ Sylenth 1 だけが”ということではありません。「普通に真面目に作ってあるな」くらいの先入観で良いと思われます。
話が脱線しますが安い廉価版アナログシンセだとその“調整”がメンドクサイので出来上がった SAW 波出力機を使ったりします。
幅広く音作りができるかというと現段階では、構成する部品の少なさからあまり凝ったことはできませんが、普通に真面目に作りこんだオシレーターと「厚みが欲しければ重ねればいいじゃん!」的な音作りへのアプローチでとても良い音がするシンセサイザーになっています。
最後に、アナログモデリング系ソフトシンセらしくアプリの起動は“重い”部類です。ものすごく適当ですが同じ VA タイプのソフトシンセである refx Vanguard(http://refx.com/?lang=en&page=products/vanguard/summary)に比べると同時に立ち上げられる数は半分といった感じですが、これはバージョンアップの度に前述の GUI(ユーザーインターフェイス)に関する部分を含めて良くなっていますので、今すぐ使ってみたい人は先行投資で、安定を求めるのなら将来出るであろう V3.0?(現在 V2.2 )あたりで試してみるのも良いかもしれません。
物足りない感じはするけれども分かりやすい。Vanguard もそうですが Sylenth 1 は音作りがチョイチョイと軽くできる良く出来たソフトだなぁと思っています。
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