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前回記事にも書きましたが、普段の制作とミックスにおいては“自分が求める音”になるのであればどんなプラグインエフェクターでもアウトボードでも構わないと思いますが、それらを使ってできあがった2mixファイルを他の曲を並べても違和感が出ないように低域-高域の処理および音量感(音圧)を揃える事をプリマスタリングといい、さらにCDアルバムや他人の曲と一緒に並べて聴かれても違和感が出ないように調節および音源規格フォーマットを揃える事をマスタリングと言います。
というわけでプリマスタリングにおいてエフェクターに求める事はやはり原音の音質を変化させることないEQで言えばQ幅を変化させたりゲインを上げ下げしてもそのカーブ付近では良い意味でも悪い意味でも歪みを感じさせる事がないクリーンなものが求められます。ですが、調節の範囲であるけれどもステレオ感の調節なども含まれ“音作り”もすることになります。
今回紹介するBrainworx bx_digital V2はエフェクター的に分類すればEQなのですが、その独特の機能によりステレオ感の調節に使用します。
普段の左右2対のスピーカーで聴こえる音はL-Rの2つの音なのですが、このMS処理はMの中央の音とSのサイドの音に分けてくれます。
これによりモノラルに低域と中域(メインパートの楽器や歌)をしっかりと音域で聴こえるように区切り、左右のサイドにあると気持ちが悪くなる超低域部分をカットしてメインではない楽曲を支えるメインな楽器の特徴ある部分を持ち上げたりして、楽曲のステレオ感を上質に広げ、各楽器の音の分離感をハッキリさせてくれます。
bx_digital V2がMS処理をしてそれぞれに2つのフィルターと5バンドのEQで音質調整ができるのはそのプラグインを見たとおりですが、他社のプラグインにMS処理ができるクリーンEQが無いわけではありません。
bx_digital V2の“特徴的”な機能の1つ目として、MS処理においてのディエッサーが搭載されています。
このディエッサーは専用プラグインみたいにQ幅やディエッサー独特の機能があるわけではないのですが、20Hz~22KHzまでととにかく処理できる周波数設定が広く、ワンポイント的にダイナミックEQ的に“このココの音”だけをコンプレッサー的に抑える使い方もできます。例えるとWavesのDe-Esserの設定周波数がとにかく広くM/Sで別々にかけられるということです。
もう一つの機能としてMono-Makerがあります。これは他のBrainworx社の製品によく搭載されていますが、設定した周波数以下をセンター(モノラル)に定位させます。ベースがキックドラムの低域が左右に広がりすぎてブワンブワンと感じるときなどにこれを使うとどっしりと“真ん中”で鳴ってくれます。
特筆するべきことでもないのですが、このbx_digital V2は全てのエディットをA-Listen(SOLO)で“その音だけ”を聴きながら調整できます。もちろんM/S分離状態で可能です。これが何かと便利で、全体を聴きながらだと分からない“狙い撃ち”したい不要な音の確認にとても便利です。
Flux Epure II~Brainworx bx_digital V2にて“音質”と“ステレオ感”を調節したら次は音量感(音圧)の調節となります。
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