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そんなわけで今回導入したマスタリング用のコンプ/リミッターがFocusrite RED 3です。 かなりマニアックです。
Focusriteという会社はかの有名なルパート・ニーブ(Rupert Neve)氏が創設メンバーとして加わった会社です。
初期製品はNEVEブランドを受け継ぐハイエンドアウトボードを数多くリリースし、初期と呼べる時期の後期では現在でも見られるNeve氏の“新しいものへの積極的な取り組み”によりLiquid Channel / Liquid Mixなど独自のIR+補完技術を駆使した製品で世間に話題を提供し、またそれらの製品を多くリリースしてきました。
ですが、最近はまたスタジオワーク向けのハイエンド志向へ戻りつつあるので今後がまた楽しみなメーカーです。
そんなFocusrite社が前述の初期に出したハイエンドエフェクターのラインナップにREDシリーズがあります。
このREDシリーズはNEVE社製品の特徴を色濃く残しつつ新しい試みを取り入れた製品群で現在はすでにディスコン扱いです。
“Neve氏の新機軸ハイエンド機”と鳴り物入りで登場したREDシリーズですが、音質やキャラクター的に人気が高いNEVEの同種製品と結構被っていて、さらにRED3で言えば発売価格は8,000ドルと、購入意欲に“踏ん切り”がつけにくい製品群だったと記憶しています。
コンプレッサーとしてはSSL Bus Compressorなどと同じVCAコンプで、それにリミッターが搭載されステレオリンク装備のいわゆるマスタリング・コンプ/リミッターと呼ばれるエフェクターです。
真空管はその名のとおり真空管という魔物(笑)、FETはトランジスタ(3極の端子から入る電気信号を出したり止めたり制御するチップ)、VCAは電圧で信号の大小への可変を制御。
この3つがコンプレッサーで多く採用されている音の制御方式ですが、現在人気があるのは、誤解がないようにしてほしいのですが、“現在の技術”で製造・制御された真空管と回路を持つオプトコンプ/リミッターで、Avalon DesignやMANLEY社の大人気マスタリング コンプレッサー・リミッター等で採用されリリースされています。
NEVE社はFET方式を多くリリースし2254や33609など現在でも多く愛用されているコンプ/リミッターをリリースしてきましたが、RED 3ではVCA方式を採用しました。
ここで個人的になぜVCA方式を選んだのかと言うと、まず最初に真空管方式が現在の主流ですしそれを考えたのですが、真空管方式のアウトボードは本体価格で買えそうだと思っても、真空管の定期的な劣化検査及び交換、デリケートゆえの“音”なのですが周りのD/A、A/Dコンバーター、電源の安定供給など“維持費と活かすための設備費”が白目をむいていまいそうになる合計金額なので今回はパス。
残るは、それなりに気を使うハイエンド機ですがゲインチェックや個人所有での使用においては比較的気楽なFET方式かVCA方式です。NEVE 2254、33609を筆頭に色々と試用したりもしながら選定に2年ほど迷い、ついでに自分が作る楽曲の方向性も変わっていき、もうプラグインかデジタル系のマスタリングプロセッサーでいいかもと思っていた時期に、RED3を使用する機会がたまたまあり、そのスムーズでクリアなコンプレッションと特にリリースを回したときの音質の“キレ”とその反応をすごく気に入ってしまい。購入決定となりました。
本機の構成は、圧縮比1.5:1~10:1、アウトプットゲイン0~+10db、スレッショルドは+12db~0~-24db、アタックにリリースとオートリリース、ステレオリンク、リミッター。ごく普通の構成です。
当然ながら今後、自分が作っていく“音”に対して変化していけば、また違ったコンプレッサーが欲しくなるとは思いますが、このFocusrite RED 3はいわゆる“一生モノ”シリーズとして末永く使えそうです。
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