■ Digital Monotone の
   トップページはコチラです。
   →Digital Monotone

2012年12月14日金曜日

スタジオ・モニター・ガイド M-AUDIO社ページ ウェブ・アーカイブ

この記事は http://www.m-audio.jp/www.m-audio.jp/index.php?do=products.article&ID=a2f5167c2a32ee63f9d280c13c239070 の転載であり、優れたコンテンツは記事として残したいと個人的にウェブアーカイブとして記事にしています。

とても素晴らしい記事だったのですが、M-AUDIO社(http://www.m-audio.jp/)のDigiDesign社への併合のち分離やDigiDesign社のAVID社(http://www.avid.com)への統合などでページが表示されなくなりました
また、http://www.m-audio.jp/news/jp_jp-1766.htmlからのリンク記事でもあったのですが現在リンク先は表示できません。

当記事内の画像、文章の著作権及び隣接著作権は現AVID社に帰属します。

※担当者様へ
著作権上都合が悪い場合や著作権使用料を伴う場合はご連絡ください。
繰り返しになりますが、とても素晴らしい記事なのでこのまま無くなってしまうのは惜しいと思い、Webアーカイブとして日本語表示ができるものとして転載しております。

※レイアウトの都合上、HTMLタグは変更していますが文字や画像は原文ママイキです。

転載記事であり、現在表示されないことから文章や画像に関する質問等は現AVID社・現M-AUDIO社は一切受け付けていません。

----- ----- ↓↓↓ これより以下
http://www.m-audio.jp/www.m-audio.jp/index.php?do=products.article&ID=a2f5167c2a32ee63f9d280c13c239070
の転載(現在表示されません)↓↓↓ ----------




Overdub Vol.1 - スタジオ・モニター・ガイド

Overdub Volume1では、スタジオに合わせてモニター・スピーカーの選択と設置段階での考慮すべき重要なポイントを解説し、モニター・スピーカー購入の際に懸命な判断を下すために有効なばかりか、プロフェッショナルなリファレンス基準を身につけ芸術的試みを深めてることができます。

モニター・スピーカーの設定に説明なんて必要ないと考える人も居るかも知れません。デスクの上に置けばそれで完了だと思いますか?実際には、モニター・スピーカーはスタジオで最も重要かつ影響力の大きい要素であり、スタジオ全体の能力を左右するものなのです。コストをかければ良いと言うものではなく、モニタリングの適切な基礎知識と少しの経験さえあれば、コストに関らず正確なモニタリング環境を構築することができます。

完璧なミックスを制作するために何時間も作業をしたのに、その結果、車内、リビング、他のスタジオでひどいミックスに聴こえるなんて、余りにも不愉快なものです。優れたモニタリング環境はこのような状態を回避し、クリアーでバランスが取れて様々な環境でも通用するミックスの制作に役立つものです。



優れたモニタリング環境の要素とは?

レコーディングにもミキシングにもマスタリングにも、モニター・スピーカーは第一の基本でありかつ最も重要な基準です。優れたモニター・スピーカーでは、録音されている全てを正確に聴くことができます。言い換えれば、モニター・スピーカーに必要なのは、良い音だと感じられる様な特定の周波数を増幅するのではなく、 相対的にフラットな周波数カーブを示すことです。幅広い音量レベルにおいて正確で忠実なレスポンス性能を備えながら、スタジオの需要に充分応えられるほど頑丈である必要があります。

モニター・スピーカーの品質は、スタジオの様々な条件と組み合わさることで優れたミックスになるか悪いミックスになるかを左右します。従って、モニター・スピーカーを設置する場合には以下の要因を考慮する必要があります:
  • モニター・スピーカーの選択 
  • モニター・スピーカーの設置 
  • スタジオ内の音響


適切なモニター・スピーカーを選択する

適切なモニター・スピーカーの選択は、主としてモニター・スピーカーを使用する方向性に依存します。シンガー/ソングライターはウーファーが5インチ程度の小型モニター・スピーカーで良くても、アーバン/ヒップホップ系のプロデューサーは低音のレスポンスを拡張するためにより大きなモニター・スピーカーを選択し更にサブウーファーを追加する場合も多いのです。ステレオ以外にもテレビ、映画、ゲームのサウンドをプロデュースするスタジオのオーナーならサラウンド環境も必要になるかもしれません。

モニタリング環境は、スタジオでこのように重大な役割を担っているため、自分のニーズに合わせた高品質のモニター・スピーカーを手に入れることが重要です。購入を決定する前に、楽器店へ行って数種類のモデルを試聴してみることも重要です。モニター・スピーカーを試聴する時には、以下の点に注意し普段からよく聴いている曲を試聴ソースにして下さい:

  • 低音がタイトでコントロールされているか、それともムラがあって音が濁って聴こえるのかどうか。
  • 楽器を個々に聞き分けられる程のステレオ・フィールドに充分な幅があるのかどうか。
  • 高音が滑らかで歯切れがよい音か、それとも耳障りで荒く聴こえるのかどうか。
  • これまで聴き取りにくかった音のディテールが聴こえるのかどうか。

サブウーファーを使用する

カーステレオ、ホーム・シアター、デスクトップのオーディオ・システム等でサブウーファーの導入が増えているため、ミックス時に超低音までモニタリングできていることは極めて重要です。サブウーファーをモニタリング環境に加えることで、低音域の出力が大きく異なります。ステレオ・ミックスにサブウーファーを慎重に調整し加えることで、ブーミーや不自然さがない太く自然な低音を拡張することができます。適切に低音を一体化できれば、サブウーファーはモニタリング環境を確実に改善することができます(低周波については後に詳しく説明します)。

ポイント: サブウーファーによっては( M-Audio® Studiophile® BX10等)、低音の出力をバイパスするフット・スイッチが用意されています。これにより、サブウーファーを使う時と使わない時とでミックスがどのように聴こえるかを簡単に判断することができます。

適切なモニター・スピーカーを選択することは、適切なリスニング環境を整えるための第一歩です。次に考慮すべきポイントは、モニター・スピーカーの適切な設置です。



モニター・スピーカーの設置

不動産業界では立地条件が最優先されますが、これは不動産業界に限ったことではありません。モニター・スピーカーとスタジオの音響という課題にも同様に(少なくとも)当てはまる条件です。モニター・スピーカーを適した場所へ設置することは、正しくサウンドを得るための最も重要な要素ですが、これは意外にも考えるより簡単なものです。適切な設置とは、デスク、モニター・スピーカー、スタジオ機器のための最高のアレンジを決めることを意味します。

モニター・スピーカーの設置に関して言えば、「スイート・スポット」について様々な噂を耳にしていると思います。スイート・スポットとは、2台のスピーカーの中心の位置でステレオ・イメージが最適化される場所でもあります。スイート・スポットでは、音楽が正確に再現されレコーディング中にもミックス中にも正確な判断ができます。モニター・スピーカーを設置する時は、スイート・スポットを最大化しモニタリング環境からより良い性能を得ることができるように、以下のガイドラインに従って設置して下さい。



モニター・スピーカー設置に関するガイドライン
  • リスナーの位置から正三角形になるようモニター・スピーカーを設置します
    ミックス中には、できる限りスイート・スポットの中心かつ近距離に座ることが重要です。快適な位置を選んだら、両方のモニター・スピーカーの正面が正確にその位置に向くように調整します。リスナーが頂点となる正三角形に設置された各スピーカーの角度が内向き(トー・イン)になるよう注意深く調整する必要があります(注意:M-Audio EX66等のマルチドライバを搭載するモニター・スピーカーでは拡散領域が特別に広いため、スピーカーの角度を内向きにする必要はありません)。
  • スタジオでモニター・スピーカーを対照的に設置する
    リスナーの位置は壁沿いの中心部分にすることで低音はより良い透明度が維持されます。長方形のスタジオではコンソールとモニター・スピーカーが長手方向を向くように設置すると、最良のサウンドを得ることができます。この設置方法では、リスナーの後方の壁に到達するまでに低周波の音波が充分に展開する時間があります(Figure 1参照)。
  • 背面と側面との距離は異なる必要があります
    背面と側面との距離が異なる場所が、モニター・スピーカーを設置する場所として理想的です。言い換えると、モニター・スピーカーが後ろの壁から60cmの場所に設置されているのならば、側壁との距離は60cmではないことを確認して下さい。


モニター・スピーカーを縦に置く(正方向)

モニター・スピーカーを横向きに設置する方も居ますが、縦置きに設計されたモニター・スピーカーを横向きに設置するとステレオ・イメージが著しく低下する場合があります。 モニター・スピーカーを縦に設置すると、最良のステレオ再生が実現できます。また、ツイーターがリスナーの耳の高さになるよう設置することも重要です(Figure 2参照)。

できる限りスタンドを使用する

モニター・スピーカーをミキシング・コンソールやデスクの上に設置する場合、音波がリスナーの耳に届く前に平面で跳ね返る(初期反射)ため、音のバランス、透明度、音像定位の質が低下します。モニター・スピーカーをスタンドに設置すれば、初期反射がミックスに干渉するのを防ぐことができます(スタンドの使用が難しい場合であれば、モニター・スピーカーをデスクの上やミキシング・コンソールの上に慎重に設置するのも一般的には認められている方法です)。

ヒント:モニター・スピーカーの下にフォーム・パッドを敷くと、
共鳴振動がミックスに悪影響を及ぼすのを防ぎます。


ツイーターは耳の高さ:
ツイーターを耳と同じ高さに調整することは、モニター・スピーカーの設置に重要です(Figure 2参照)。

モニター・スピーカーをスタジオの隅に設置するのは避ける:
スタジオの境界や隅は自然に低音が強調されるため、モニター・スピーカーをスタジオの隅に設置するのは避けて下さい。

モニター・スピーカーは壁から少なくとも20cm~30cm離して設置する:
これにより、壁から跳ね返った音波がリスナー側に戻って来るのを防ぎます(Figure 3参照)。バスレフ・ポート(特に背面に)を備えたモニター・スピーカーを使用する場合、空気流障害を防ぐために十分なスペースがあるかを確認して下さい。



アコースティック・スペース・コントロール

理想的な設置では、モニター・スピーカーをスタジオの角や壁面から充分に距離をおいて設置することですが、残念ながらスペースに限りがあるスタジオでは「言うは易し行うは難し」です。限られたスペースならば、アコースティック・スペース・コントロール・スイッチが搭載されたモニター・スピーカー(M-Audio EX66等)の購入を検討することも必要です。これらの特別なコントロール・スイッチは、様々なモニター・スピーカーの設置の問題点を補うためEQを有効にします。
  • フルスペース:スタジオの角や壁から離して設置
  • ハーフスペース:壁面またはミキシング・コンソールの上に設置
  • クオーター・スペース:スタジオの角やVUメーターの近くに設置


モニター・スピーカーを設置する環境に合わせてコントロール・スイッチを正しく選択すれば、理想的とは言い難い設置環境でもその欠点を補うことができます。

モニター・スピーカーの設置位置を微調整する

モニター・スピーカーを正しく設置するには時間も忍耐も必要です。モニター・スピーカーを設置したら、先ずよく知っている曲のCDを試聴してみます。モニター・スピーカーの位置を何度も動かして、サウンドのバランスが取れスイート・スポットが広がる位置を探します。

スイート・スポットに座り、左右のモニター・スピーカーのボリュームが一致するように調整します。左右のモニター・スピーカーの音量に違いが聴き取れるようであれば、メインの出力VUメーター等に違いが見られるはずです。

ヒント:中央にSPLメーターを置いて、左右のモニター・スピーカー音量のバランスを調整することもできます(最近では低価格なSPLメーターも数多く販売されています)。


当然のことですが、モニター・スピーカーの設置後はモニター・スピーカーの前に物を置かないで下さい。リスナーとモニター・スピーカーの間にコンピュータのディスプレイや機材等が存在するとサウンドの聞こえ方に影響を及ぼします。(Figure 4参照)

サブウーファーの設置

サブウーファーを使用すると、低音のレスポンスに大きな違いが生じます。サブウーファーは常に床に設置する必要があり、テーブルやスピーカー・スタンドを使用しないで下さい(スパイク等は有効です)。ある説の推奨するところでは、2チャンネル・ステレオのシステムにサブウーファーを使用する場合、サブウーファーの最善の位置は左右のモニター・スピーカーの中間から僅かにズラした床であり、サブウーファーのフロントパネルがリスナーの方を向き、左右のモニター・スピーカーと同じ方向を指すように設置します。その後、最善のサウンドが得られるまでサブウーファーの位置を微調節します。

サブウーファーのもう一つの設置方法は、リスニング・ポジションに置いたキャスター付の椅子の上にサブウーファーを置き、サブウーファーだけを有効にして低音が充分に効いた音楽(ピンク・ノイズも効果的です)を再生します。椅子に載せたサブウーファーをスタジオ内移動しサウンドが最も豊かで、かつタイトに聴こえる場所を探します。それがどの位置であれ、サブウーファーの設置が適切な位置です。より正確に位置を決めるには、耳を頼らずSPLメーターまたはRTAを使用して同じように位置を探します(SPLメーターを使用する場合は、必ずピンク・ノイズを再生してテストしスペクトル反応が最小で低周波帯域の拡張が最大になる位置を探します)。
ヒント:低周波信号は全方向へ発散するため、サブウーファーが音響的に最適な場所でも人がよく通る場所等は都合の良い位置ではないと言えます。このような場合、サブウーファーの位相スイッチをオンにして上記のテストを繰り返して下さい。



スタジオ内の音響

光が鏡で反射するように、音波もリスナーの耳に届くまでにスタジオ内を反射して飛び回ります(Figure 5参照)。可聴周波数の中には、強調されるものもあれば逆に減衰するものもあり、その結果サウンド全体の性質が変化します。全ての境界面(後壁、側壁、天井等)による反射は厄介なもので、モニター・スピーカーを設置する時には、室内の反射特性について考慮する必要があります。室内で最も強い反射をなくせば、モニタリングの正確さは大きく改善します。

スタジオとして使用する部屋は、大半の方が寝室のような長方形のスタジオです。残念ながら壁が平行に設置されたスタジオでは、「定在波」(ルーム・モードとも呼ばれます)と呼ばれる現象が生じます。平行な壁面で音波が反射して同じ軌道を通って元に戻るため、位相キャンセルが生じてスタジオの振幅応答に干渉します。この種の環境には問題がありますが、長方形のスタジオを正確なモニタリング・スペースに変えることもできます。スタジオにおける音の性格を分析して調整することで、反射を最小にして質を改善することができます。

ヒント:長方形ではないスタジオの環境をシミュレーションするには、本棚に吸音材を隙間無く貼付けたものや定形外の素材を壁とみなして角度をつけて設置します(Figure 6参照)。




音響調整製品を使用する

どのスタジオもある程度の音響的な処理が必要です。スタジオにあるソファーや本棚等の家具に気をつけて設置することで音響処理を施すことができる場合もあります。ほとんどの場合には、吸音/拡散素材を使用する必要がありますが、適切な吸音処理を施せば周波数の反射を軽減しスタジオの残響特性を円滑にすることができ、リスニング・ポジションに不要な反射が届くことを防ぐことができます。

  • 吸音

    吸音の主な目的は、スタジオの防音ではなく反射を中和することです。厚い布、ファイバーグラスや吸音フォーム等の多孔質材は中/高音域のサウンドを吸収します。このような素材は、簡単に床や天井に取り付けることができ室内での複数の反射を制限/軽減します。一般的に、5cmの吸音フォームは500Hzより高い周波数を効率的に吸音し、10cmのフォームなら250Hzより高い周波数に効果的です。

    先ずモニタリング環境で反響が起こる場所を探します。サウンドを反射してリスニング・ポジションへ戻る様な平面が近くにありませんか?元も問題の大きい平面はリスナーの側壁、後壁、モニター・スピーカーの後方の壁です(Figure 6参照)。これらの平面には吸音または拡散素材を取り付ける必要があります。

    ヒント:吸音素材を板に取り付けることで携帯型の吸音板を作ることができます。これらの反射板は、壁から10cm?15cm離れた場所に置くとスタジオの音響が改善し、壁自体を改造する必要がありません。ボーカルのレコーディングにも一時的に防音空間を隔離するように反射板を設置することもできます。

  • 低周波に対処する

    スタジオでは、低音のレスポンスが大きな問題になる場合があります。低周波はスタジオの角や境界点で集積する傾向にあるため、中心にリスナーの位置があれば低音の明瞭度に欠けることがしばしば起こります。

    低周波は、高/中域の周波数とは異なる動作をするため、低周波のレスポンスにはユニークな方法で対処する必要があります。高周波を吸収する素材は、スペクトルの最低周波数に対してはほとんど耐性がありません(その逆も同様です)。低周波のエネルギーは、素材の厚みにより吸収されるだけでなく、向かってくる波形を折り曲げる素材の能力にもよります。低周波に適切に対処するには、低音用吸音材(ベース・トラップ)を使用してコントロールする必要があります。

    低音用吸音材には、低周波の反響を軽減する特別な吸収素材が採用されています。スタジオの隅、壁際、独立した場所に低音用吸音材を設置すると、不必要な低周波の大部分を吸収することができます。

    ヒント:適切なサイズの本棚や木製のフレーム(骨組みのまわり)にカーペットやカーペットのパッドを何層にも巻き付けることで、コストをかけずに一時的な低音用吸音材を作ることができます。フレームにキャスターを取り付ければ、簡単に移動させることもできます。

    ポイント:低周波の増幅、または減衰する場合には、ミックスがうまく行かなくなります。一連のテストトーンをモニター・スピーカーで聴くことでスタジオの周波数レスポンスをテストすることができ ます。モニター・スピーカーで各テストトーンを一貫したボリューム・レベル(+/- 5dB以内)で再生してみます。200Hz未満の周波数では特に気をつけながら聴きます。更にSPLメーターやRTAを使用して、テストトーンが終始一貫 していることを確認します。20Hz?200Hzの周波数帯域が一貫した周波数レスポンスになる様に、スピーカーの設置や音響特性を調整します。

  • 拡散

    限られたスペースのスタジオ(3m x 3m未満)でも吸音パネル数枚を注意深く設置すれば、良い結果が得られます。逆に大きなスタジオでは、音響拡散製品(サウンド・ディフューザー)を使用する必要もあります。音響拡散製品は、拡散パネルまたは境界で様々な角度に音波を反射するものです。音響拡散製品は天井や床等の境界域に貼付けたり、音波の反射を中央のリスニング・ポジションとは別の方向に向けます。音響拡散製品を使用すると、多重反響と呼ばれる状態を軽減し、音響の通り道をより長く複雑にすることで反響特性をなめらかにすることができます(Figure 8参照)。

    ヒント:背面の壁に沿って本棚、スタジオ・ラック、形が不揃いのオブジェクト等を置くと、反響音をリスニング・ポジションから別の方向へ向けることができます(Figure 7参照)。




モニタリング・システムのテスト

上記の対策を試したら、今度はよく知っている曲を聴いてスタジオ内の音響を再度テストします。リファレンスとされる複数の曲から部分的に短く抽出してコンピレーションを作ります。モニター・スピーカーの設置を少しずつ変えながら、オーディオのスペクトル全体に均一なレスポンスが得られる位置を探します。スピーカーの近くに座ると、直接のサウンドが一層、多く聞こえます。

  • 音量についての注意

    大音量でモニタリングすると、ミックスの中で簡単に高周波と低周波を耳で簡単に聞き分けることができます。しかしながら、ミックスを小さい音量でモニタリングするほど耳は高周波と低周波に対する感度が下がるため、大音量で再生した時とはバランスが異なって聴こえます。モニター・スピーカーの音量を上げたくなりがちですが、音圧レベルを上げると聴覚に支障をきたすことがありますので注意して下さい。モニタリング時の出力レベルは、75 dB SPL?90dB SPLまでに抑えるようにします。目安として、スタジオ内で叫ばないと会話ができない状態ならモニタリングの音量が大き過ぎることになります。



最後に

本書を読んでお分かりになったように、モニタリングのための環境を整えるには多くの条件がありますが、全過程は下記の順序で要約することができます。
  • 用途に最適なモニター・スピーカーを選択する
  • 使用するスタジオで最適なリスニング・ポジションを決定する
  • 本書や他の専門書の指示に従いモニター・スピーカーを設置する
  • 不要な反響の原因となる室内の平面を特定する
  • 不要な反響が発生する場所に吸音フォームやその他吸収力のある素材で処理を施す
  • 低音用吸音材を使用してスタジオ内の低周波数のレスポンスをチューニングする
  • 音響拡散製品を使用してリスニング・ポジションから反響を別の方向に向ける
  • モニタリング・システムをテストし必要な調整をする

最後に、耳は最も重要なモニタリングのためのツールです。モニタリングするスタジオをよく知ることにより(限界や不完全な部分も含めて)、様々な種類のモニタリング・システムでも優れたミックスを制作することができます。

付録A-楽器とリファレンス・モニター・スピーカーのスペクトル


付録B-M-Audioリファレンス・モニター・スピーカー比較表

  DSM2 DSM1 CX8 CX5 BX8a Deluxe BX5a Deluxe
 
ドライバー 8インチ
酸化皮膜処理アルミニウム
6.5インチ
酸化皮膜処理アルミニウム
8インチ
ケブラー
5.25インチ
ケブラー
8インチ
ケブラー
5インチ
ケブラー
ツイーター 1インチ
テトロン
1インチ
テトロン
1.25インチ
シルク
1.25インチ
シルク
1.25インチ
シルク
1インチ
シルク
パワー LF 100W
HF 80W
LF 100W
HF 80W
LF 80W
HF 40W
LF 50W
HF 40W
LF 70W
HF 60W
LF 40W
HF 30W
周波数特性 42Hz-27kHz 49Hz-27kHz 38Hz-30kHz 50Hz-30kHz 40Hz-22kHz 56Hz-22kHz
クロスオーバー周波数 2.7kHz 2.7kHz 2.7kHz 2.6kHz 2.2kHz 3kHz



----- ----- ↑↑↑ これより以上
http://www.m-audio.jp/www.m-audio.jp/index.php?do=products.article&ID=a2f5167c2a32ee63f9d280c13c239070
の転載(現在表示されません)↑ ----------

0 件のコメント:

コメントを投稿