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PreSonus MP20という2chマイクプリです。
マイクプリという製品自体は、ライン入力のみのミキサーやパソコン用オーディオインターフェイスが主流な時期にヴォーカルや生楽器のマイク録音などで音声信号をミキサーやオーディオIFの入力適正音量に増幅するために必要なアウトボードで、多種多彩ないくつもの製品がリリースされていました。
最近は1~2と少ないながらも高品質なマイクプリを搭載しているオーディオIFが各メーカーからリリースされていることもあり、もちろんハイエンド市場やスタジオなどでは需要もあるのでターゲットを絞り込んだ製品は今でもリリースされているのですが、個人でも手が届く価格帯でのマイクプリでの新製品というものは少なくなりました。
PreSonus MP80は“原音のまま音量を増幅できる”とても素直でクリーンなマイクプリとして2本以上のマイク同時入力が必要な生ドラムや生ピアノ、コーラス隊など何でもいけちゃう的に活躍しました。
そのMP80を2ch分にしたのがMP20です。
どこまでクリーンかというと本機を通して増幅される音は全くもって色気無しです。NEVEやTGなどの“通すと音楽的にイイ感じになる”プリアンプとは逆です。
この“通すと音が良くなる”というのはもちろんそれまでの経験や現場からのフィードバックありきで作り上げていく芸術とも呼べるバランスで作られていくものですが、それに漏れてしまったマイクプリ・プリアンプはとんでもない数に上ります。
そしてその逆の“原音のまま増幅する”マイクプリも隠れた存在ですが同じように“いかに原音のまま音量を上げれるか”は色々なオーディオIFやミキサーを触っていくうちに誰もが経験していくと思います。
そして最新のオーディオIFでもなかなか見られない素晴らしいカタログスペックです。
Dynamic Range | >120dB |
Noise Floor @ Bus | -90.2dBu |
Noise Floor @ Main Output | -96.4dBu |
Noise Floor @ Channel Output | +24dB gain, -88.2dBu |
Headroom | +24dBu |
Frequency Response | +/- 0.5dB, 10Hz - 60kHz |
Crosstalk | <82dBu @ 10kHz |
THD + Noise | 0.00% |
ボリュームを最大にすると、何も接続してなくて全チャンネルをミュートしもデジタル機器なのに“サ~っ”と鳴ってしまうオーディオIFも多い中、アナログ構成にて-90db以下のMP20はほとんど無音と言っていいレベルです。
その他にもこれまた低い歪み率やアナログマイクプリならではの広いヘッドルームなど現在でもトップクラスの性能を誇ります。
そんな“どこまでもクリーン”方向のMP20ですが、使い勝手も好評だったMP80のコンセプトを受け継ぎながら、2chならではの左右パン振り分けで1と2でステレオ配置ボタンや前面のヘッドフォンアウトなどステレオソースを意識した作りとなっています。
入出力ともに豊富でDI的に使うも良いし、マイクプリとして入力ゲインを整えエフェクトセンドをそれぞれのチャンネルでやることも可能になっています。
本機はいわゆるFETというソリッドステートコンデンサータイプのマイクプリですが、入力のみならず高品質なヘッドフォンアンプとしても使えたりと決してメインな宝物では無いのですが、あると便利なアウトボードとしてこれからも末永くお世話になりそうです。
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