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いつの間にかマイナーモデルチェンジしてしまい、KORG M3 → M3 XPanded になってしまいましたが、今回は USB メモリーを用意するだけという太っ腹な KORG の計らいによってウチの M3 も XPanded にしてみました。

というのも、楽曲制作の特に初期段階のメインメロディやコード付けをするときはやはりピアノ音色が一番作りやすいという事と、その段階でソフトシンセ(ピアノ音源)を立ち上げるのも面倒だなぁと思っていて、これは諦めて今どきの PCM シンセでも買ってみるかと物色し始めたのです。
"とりあえずのピアノの音が出て 61 鍵でついでに PAD も付いていればリズム入力も楽かな"と本当に何でもイイヤ的な考えから、廉価版や一世代前のメインストーリーム機など色々と検討してみた結果、廉価版は音のクオリティは一世代前のメインストーリーム機と同等もしくは凌駕しているものも多いのですが、長時間弾くのには疲れそうな鍵盤の機種しか無いので却下。一世代前の中古も検討しましたがこれは主観的な考えで「何か重そうだ・・・」と敬遠してしまいました。ちなみに最後まで迷ったのは KORG TRITON Extreme(http://www.korg.co.jp/Product/Discontinued/TritonExtreme/)と Roland Fantom X6(http://www.roland.co.jp/products/jp/Fantom-X6/)です。両方とも良いシンセです。
ただし、イマイチ気持ち的に納得いかないという曖昧な言い訳で、こうなれば新しいのにしておくか!となりました。鍵盤と筐体デザインのチェックが楽器屋さんですぐできるとなれば国産機種ということになります。「ピアノの音が出て 61 鍵だったら何でもいい」と言う割には贅沢を言うのがオカシイのはさておき、YAMAHA MOTIF XS、Roland Fantom G6、KORG M3 が候補となりました。
とりあえず各社のサイトをとりあえず見てみましたが、残念なことに MOTIF XS には大きな PAD が無い!ということで除外されます。
買う目的がズレているのかもしれませんが、私の場合は"適度に良質なピアノ音色と鍵盤"が欲しかったのです。もちろんデジタルピアノも検討しましたが"ピアノ鍵盤"は残念ながら求めていないのがミソです。ハンマーアクションで低域と高域で打鍵感が違う技術の粋を尽くした鍵盤は必要ないのです。
とにかく 3 ヶ月ほど色々悩んで Fantom G6 か M3 ということに気持ちは固まり楽器屋へ足を運びました。
鍵盤はかなり印象が違います。Fantom X6 や Roland の鍵盤は触る機会が過去に多々あったので「これでいっか」的な感覚でした。M3 は KORG 新開発の鍵盤らしく第一印象は「ふにゃ?」と思ったのですが、両手でポロンポロンと弾いてみると意外に弾きやすい。ということで鍵盤に関しては「どっちでもいいや」という適当な結果です。
そして音です。
正直言って、これもまた「どっちでもいいや」くらいなものですが、さすがに最新機種らしく特に Fantom G6 のピアノはすごく綺麗だなぁという印象を持ちました。ちなみにこのピアノ音色の聞き比べに関しては MOTIF XS も弾いてみたのですが、3 機種ともクオリティが高くこれは音質の"好み"で選択すればどれを選んでも良いなと思えました。この段階で聞き慣れないせいなのかもしれませんが M3 のピアノが"優しい系かな?"と好印象でした。

実はこれが私にとっては重要な事だったりします。これから先 MIDI 入力用のメイン鍵盤として使うことになるのですから見た目が萎え々々だと制作意欲が削がれます。Fantom G6 の液晶はとにかくデカイ!スライダーもノブも PAD も整然と配置されており使いやすそうです。PAD はやや小さめですが M3 より数が多いので便利そうです。対する KORG M3 は Fantom G6 に比べて全体的に一回り小さな印象を受けます。左右対称のシンメトリー的なデザインは微妙ですが白基調のデザインからそこまでの違和感はありません。
こうなると両者どちらを買っても後悔はしなさそうですが、Roland ベンダーの使い勝手の抵抗感と、M3 はサイドウッドに"木"を使っていることから本質的には全く関係ない事で KORG M3 を購入することに決めました。

さてさて、購入してしばらく使ってみての感想ですが、KORG M3 はワークステーションシンセというよりプレイヤーシンセですね。タッチパネルでの操作や音色の呼び出しが軽快です。中央の 8 つの大きな PAD も"使え!"と言わんばかりのセンター配置で使いやすいです。他のシンセと違ってノブが無くスライダーのみというのは、旧来のアナログシンセを使っていた私にとっては"どっちもどっち"ですので問題無しで"弾きながら人差し指でフィルター薬指でレゾナンスを同時にいじれるからいっか"くらいの感覚です。
フィルターやエフェクトなどはつい数年前のワークステーションシンセのローパスフィルターなどは正直に言って"嘘臭くて嫌い"だったのですが最新機種は Fantom G6 にしてもすごく良いフィルターになっています。エフェクターの品質と種類の豊富さもそのまま録音できそうなくらいに上がっていて特にアンプシミュレーション系のエフェクターは"プレイ時メインで録音用としてはオマケ"の時代からは想像もつかない素晴らしい出来栄えです。
仕様書的な面から KORG M3 を見てみると、
120 ボイス( 120 オシレータ)シングル・モード時
プリセット PCM メモリー 256 MB( 16 ビット・リニア換算時)1,077 マルチサンプル(ステレオ 7 個含む)、1,609 ドラムサンプル(ステレオ 116 個含む)
EX-USB-PCM03 Stereo Grand Piano 約128MB( 16 ビット・リニア換算時)10 マルチサンプル(ステレオ 5 個含む)

ただし、メーカーの英知を尽くした"肝"の部分だと想像できますが、圧縮音源など微塵も感じさせない出音となっています。
OS の書き換えが出来たり EXB-USB の 60MB を起動時に読み込めてそれを 128MB 相当としていますので、実際の搭載メモリーは 128MB のフラッシュ ROM っぽいです。今どきのPCM系ソフトシンセにしてみたら非圧縮で 4 GBとか数十倍以上の容量の差はありますが、音色を選択してからの読み込み時間は皆無というハードならではのレスポンスの良さは"楽曲制作や実際の演奏においては"とても大事な事だと感じさせます。


良いことだけを書けばイイのですが不満もそれなりに・・・ですね。最近の PCM シンセというのはこういうものなのでしょうか?色々と音色をいじりたいときに操作が一回多いのです。エディットモードを選択してからフィルターセクションを選んで・・・みたいな感じですね。それと難解という事ではなく"意味不明"な KARMA 機能と内蔵シーケンサーは今後も触れることが無さそうです。ちなみにシステム設定で KARMA 機能をコンビ・パッチなどで強制的に"使用しない"設定ができますので私は全て OFF にしました。
ライブ派ではない私のような人間にとって、そのプリセット波形の容量の小ささはメリットとは成りえなく、それでもメイン鍵盤としてこれからも幾度かメーカーのメインストーリーム機を買うことになると思います。そのときの微妙な気持ち(笑)を狙ってメーカーが作るというのはありえませんが、これからも所有欲を満たしてくれるような良いシンセが各メーカーからリリースされればいいですね。
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