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2013年9月26日木曜日

Elektron Analog Four

関連リンク
メーカー :
 Elektron
日本語ページ: Elektron Music Machines. Magical Music Instruments Since 1998
製品ページ: Analog | Elektron
日本語ページ: Analog Four
モニター内でソフトウェアシンセサイザーを立ち上げて、トータルリコールの恩恵を受けつつデスク周りをスマートに楽曲制作を行うのを夢見て色々と試してきましたが、どうにも、今までよりも音作りやミックス作業などで時間がかかっている気がしていました。

その原因は、ハードならではの音を決めるまでの操作や実際の出音が、ソフトシンセとハードウェアでは“違うモノ”として捉えなければならないことでした。

そんなわけで、以前みたいにシンセタワーに囲まれる気は毛頭ありませんが、Access Virus TI Polarを中心として、右手で届く範囲まではハードを配置しつつ、ハードだけでは足りない発音数や独自のサウンド(ウチならPCM系サウンド)をそれぞれのソフトに分担することに決定。

Elektron Analog Four
そうなるとアナログモデリングはTI2 Polarでお腹いっぱいですので、独特な個性を持った音源ということで、今後いくつか追加していくとは思いますが、今回はElektron Analog Fourを購入してみました。

すでに数曲をAnalog Fourを使いつつ作っていますが、内蔵シーケンサーに有名なパラメーターロックや純アナログ機らしい外部CV機器の制御等々のフューチャーされている機能は全く理解していません。

個人的には純然たる2VCO+サブオシレーター-2VCF-VCA+今どきのデジタルエフェクターというシンセサイザーとして使っています。
Elektron Analog Four
購入するときに、“自分は一押しなシーケンサー機能を使わないのでこれで音がショボーンだったらどうしようもない”ということで配信ムービーを見たり、最終的にはデモ機を触ってみました。

すると、結構、音がイイ。のです。

Elektron Analog Four 昔のアナログシンセでは難しかった各種エフェクターの搭載という恩恵もありますが、素のシンセサイザーとしての音はアナログらしいふくよかなSAW~パルスサウンドです。
海外の有名なmoogやProphet系の音ではなく、どちらかというと日本の昔のYAMAHAやRolandのアナログシンセの音です。

このモノシンセを4台という構成がAnalog Fourで、将来、アップデートで機能追加されるかもしれませんが、同社MonoMachineのように4音ポリモードが無いのが音源として使う場合は残念な点です。

それでもMIDIチャンネルなどの設定は柔軟ですので、1-2-3-4というMIDIチャンネルの割り振りを1-1-1-1みたいにすればモノラル8VCOサウンドも可能で、自分は1-1-3-4にして2つの音をレイヤーして1つのベースサウンドを作り、その他2つのパーカッションやリズムサウンドを割り振るというやり方で使用しています。

Elektron Analog Four
音作りは、液晶画面が小さくノブが10個、ボタンが9個で音色いじりはややめんどくさそうに感じますが、階層が浅く1画面に表示されるアイテムでよく分別されているので、 意外にもスムーズに音を作っていけます。

TI2 Polarはノブの数の割には階層が深く、どちらかというと膨大過ぎるプリセットを変更して自分好みの音を追加していくのですが、Analog Fourは0からの音作りが楽しい。そんな感じです。
Elektronの人気は高いので、そのうち、iPadやプラグインで音作りだけでもできるソフトウェアが社外でもいいのでリリースされればいいなぁと思います。

Elektron Analog Four
内蔵シーケンサーを使わないなんて勿体無いと思う方が多々でしょうが、使い込んでいくうちに、やっぱりアナログシンセはいいなぁと思えるシンセサイザーです。

Elektronの18分もあるプレゼンムービー。多彩な音を聞かせてくれます。

2013年9月25日水曜日

Access Virus TI2 Polar

関連リンク
メーカー :
 Access Music
製品ページ: Access Music | Virus TI2 series feature overview
代理店 :
 KID(KORG Import Division)
製品ページ: access | Virus TI : 概要
自分史の中でも一番長くシリーズモノとして購入してきたシンセサイザーがAccess MusicのVirusシリーズで、b、Indigo2(c)、Powercore版と買い続け、そしてTI2 Polar(正しくはTI Polarらしいのですが、初期Polarとは外観と性能が多少異なるので日本国内では2と呼ばれています)です。

Powercore版を導入した時にDAWとの親和性とノイズレスな便利さに「もうVirusのハードは不要かなぁ」と感じていたのですが、自宅のセットアップの見た目をコンパクトにしたかったことと、そろそろVirus TIの後継機が発表されるのではないか?的な最後のディスカウント状態、併せて代理店がKORGになったことでマニュアルやサポートの充実が望める。etcな個人的な好条件だったので発売から数年が経ちましたが新品での購入です。

TIシリーズは、TI=Total Integrationとの事で、すごく簡単に言いなおせば、「DAWの中で外部DSPとしてまるでソフトシンセのように使えるよ。」がメインの機能です。
Access Virus TI Polar
オーディオケーブルを使用しなくても、USB接続にてMIDIとUSB-AUDIOを介してのサウンド出力が可能になっており、当然、DAW上でのオフラインバウンス(フリーズトラック)という録音操作無しでのオーディオファイル化が可能になっています。

Access Virus TI Polar 通常の録音とどう違うのか?ということについては、大まかに言えば、録音によるレイテンシーを自動補正するので遅延が無くタイミングがピッタリな事と、“MIDI演奏データー→Virus TI内でサウンドをオーディオファイル化→USBにてパソコンへ”という流れでアンプ、マイクプリを通さないので余計なノイズが入らない事です。

ただし、Virus TI2の場合、S/PDIF出力でも同様ですが、ボリュームポットでの音量可変が可能ですので、Virus内アンプを通してからデジタル化しているようです。 それでも前Virus Cシリーズに比べると格段に機器ノイズは小さくなっています。
このあたりは、“その個体アンプでの出力サウンド込み”が“Virusの音”という考え方なのでしょう。

サウンドの方は、個人的にはVirus Cシリーズでシンセサイザーの構成は完成されたものになったと思います。素のサウンドキャラクター、操作方法などはCシリーズもTIシリーズも大きく変わったところはありません。
TIシリーズはCシリーズに追加でHyper SAWやWave Tableなどの基本波形の追加とエフェクト部などにアンプモデリング的なキャラクター設定などが追加されており、Cシリーズの流れを汲みつつ、Virusらしくない音も作ることが可能になったアナログモデリングシンセサイザーの完成系といったモノに仕上がっています。

外観、重量(笑)は従来のVirusシリーズと同様で、鍵盤と本体の隙間、各パーツの“合い”、デザインなどなど、全てが妥協無きAccess社のシンセサイザーらしい出来栄えです。
Access Virus TI Polar
Access Virus TI Polar現時点で確かにDAWとの連携は他の多々なシンセサイザーより一つも二つも抜きんでていますが、相当強化されたとはいえ、より多くのサウンドを重ねたいわゆるユニゾンサウンドでは発音数が足りないことも多い(モノによっては3-4和音になります)ので、次期シリーズはDSPの更なる強化か、違った方向性に行くのか、フィルターなどにリアルアナログを搭載するのかなどなどが予想されます。

双璧を成すClavia Nordシリーズと、このAccsess Music Virusシリーズほど世界に認められたアナログモデリングは他にはありませんので、これからもずっと使い続けていきたいと思います。

デモ音源はAccess Musicサイトにて聴くことができます(Access Music | Virus TI2 series feature overview

オマケでファイルサイズは大きめですが、歴代37鍵シリーズの画像を並べてみました。(ブラックエディションを除くノーマルカラーのみ)
Access Virusシリーズ

2013年6月9日日曜日

Waldorf Rocket

関連リンク
メーカー :
 Waldorf,
 the Synthesizer Company

製品:
 Rocket Synthesizer
今や音源も含めてほとんどの作業がコンピューターベースなので複数の大きなシンセサイザーを所有する必要性も無く、当然、我が家もメインとなる鍵盤以外はなるだけラックモジュール版かガジェット的な製品にリプレースしています。

昨今、メーカー曰く「完璧なアナログモデリング」などな言葉に踊らされ、いくつかのソフトを買ってきました。ですが、ソフトシンセをそういう“実機置き換え”と捉えるのではなくて、“たまたまパソコンから音がでる新しいシンセサイザー”と別物と思って触っていくのがいいようです。

そうなるとやはり色々と欲しくなるわけで・・・

Waldorf Rocket
Waldorfと言えば、制作発表からリリースまでが1年単位で遅いことでも有名ですが、今回のWaldorf Rocketは早かった!
最近のWaldorf社は元気が有るようで無さそうで・・・の不思議な会社ですが、こうやって、たまにニッチ層向けの新製品をリリースしています。

DCO(デジタルオシレーター)+VCF+VCA+LFO(or ARP)といういわゆる“いまどきアナログモノシンセ”です。

Waldorf Rocket 1DCO+1VCFというと1980年代のデジアナシンセを思い出します。某800や某JUNOなどチープな音を出す製品が多かったのですが、今のデジアナは洗練されています。

RocketのOSC(オシレーター)セクションをいじるとすぐに分かりますが、まるで複数のオシレーターを装備しているかのような複雑な波形や、Rocket独自の8オシレーターユニゾンモードと、かなり多彩な音を出してくれます。

Waldorf Rocket サウンドの傾向としては、ノコギリ波と短形波と短形波によるPW(パルスワイズ)波のみの装備ですので、サイン波や三角波を重ねるキックドラム系の太いサウンドは得意ではありませんが、ノコギリ波特有のエッジと歪みが効いた太いサウンドはかなり得意としています。

筐体はオールプラスチックでノブもプラスチックと価格なりの外観と質感ですが、全体的にチープさは無く、“この小ささでもドイツ製品”的な雰囲気です。

Waldorf Rocket
電源は、USB給電方式で、USBケーブルに各国コンセントアダプターが付いた電源アダプター(付属)か、パソコンからのUSB給電で動作します。ちなみにUSB-MIDIも標準ドライバー対応で専用ドライバーは必要なく、パソコンとは接続するだけで自動認識します。

各ノブはMIDI CC対応でUSB-MIDIとMIDIケーブルのどちらでもMIDI CCの送受信ができるようになっています。

Waldorf Rocket モノが売れてWaldorf社が潤えばVSTプラグイン版も出してくれるとは思いますが、現在はiOS(iPADなど)専用のコントールソフトが無償提供されています。

Blofeld以来の久々のWaldorfシンセですが、この自己発信する強烈なアナログフィルターとかなり深くモジュレーションが効くLFOはWaldorf伝統のシンセサイザーの流れで、Rocketはメロディを奏でながらノブを触るのが楽しいシンセサイザーです。

2013年4月4日木曜日

KORG DSS-1 リペア:液晶バックライト交換

リペアというか掃除がメインなKORG DSS-1復活への道ですが、今回は確認するたびに視線をチラチラと変えないと文字を読み取ることができない液晶バックライトの交換です。

ちなみに液晶自体は発光するものでは無く、液晶パーツのガラス面と基盤の間に差し込まれた発行する板=ELシートが発行して、文字などを視認できる明るさになります。

このELシートも25年前と現在では明るさの経年劣化への耐久性やそもそもの“明るさ”も格段に良くなっていますのでわりと簡単にできるバックライト交換はオススメな休日の暇つぶしです。

超デカEL発光パネル・専用インバータセット(白色) 購入したのは秋月電子通商の
超デカEL発光パネル・専用インバータセット(白色)
http://akizukidenshi.com/catalog/
です。(商品名変更やセット変更でページが度々変わりますのでカタログトップから探してください)

ELはプラスチックフィルムみたいな感じで熱に弱く配線のハンダ付けは無理なので、最初から端子を圧着しているこれは便利です。

何度となくやっているのでサクッとトップパネルを開けて液晶位置を確認すると、KORG DSS-1は液晶部分も独立した基盤で簡単に外せます。
KORG DSS-1 液晶ユニット
撮影のためにこの状態で電源を入れてみましたが、やはり薄らと視線の角度を変えれば文字が見える程度です。
液晶ユニットの隙間に透明なフィルムの端が出ているのが確認できますので、直でハンダ付けしてある部分を切断してフィルム=ELシートをひっぱり出します。
特に何かで留めているわけでは無いので簡単に取り出せます。
KORG DSS-1 ELシートを引っ張り出す
超デカEL発光パネル・専用インバータセット(白色) ELシートはカッターで切ってもOKなので旧ELシートと同じ大きさにカットします。
ただし、やはり昔の液晶サイズで小さいので眩しく輝くほどの明るさは期待できない大きさです。

と、仮組みして発光テストをしながら思ったのは、

いまどきのカラーなELシートにすれば良かった・・・

です。
白色って液晶のあの薄いうぐいす色のままで発光してもやや白いかな?程度です。
そこで、赤い半透明のアクリル板を本体側の透明カバー部にテープで留めてみました。
KORG DSS-1 新しいELバックライトシートを装着
ELバックライトシートは旧来と同じく本体にはんだ付けします。
早速スイッチオン。

・・・夜間や暗い部屋では赤くてカッコよくてしっかりと文字も見えるのですが昼間はとても見づらいです。
やはりELシートが小さすぎて発光面積は少なすぎるのか、昔の機種ゆえにELシートを発光させるインバーターがそれほど高出力ではないのか、とにかく残念な結果になりました。
KORG DSS-1 新しいELバックライトシートを装着
赤いアクリル板を外して、再度、白状態で夜間に撮影してみました。
KORG DSS-1 新しいELバックライトシートを装着
このとおり、しっかりと明るく文字もくっきりと視認できます。ちなみに昼間でも視線を気にすることなくしっかりと文字を確認できるようになりました。

2013年4月2日火曜日

KORG DSS-1 リペア:接点復活

筐体と鍵盤の清掃が終わり、残るは液晶バックライトの交換と2DDフロッピーディスクドライブの今どきメモリーディスクへの換装なのですが、このKORG DSS-1は本体メモリーが256KB(12bit/48KHz/MONOで約5.5秒サンプリング)しか無く、フロッピー1枚で本体3回分のデーターを保存できるために当面はこのまま使用することになりそうです。
KORG DSS-1
ちなみにフロッピーディスクのドライブとディスクの耐久性はすごく高く、ドライブもたまに動かせば故障率はかなり低く、ディスクも磁力が強い機器に近づけなければという条件がありますが、CDやUSBメモリーなどよりずっと長持ちでハードディスクにも劣らないほどの長期保存メディアなのです。

となると、液晶バックライトの交換ですが、その前に、ボリュームスライダーからのガリとデータースライダーの数値飛びを改善したいと思います。
こういう部分って、弾くことに専念しているときに少しでも関係が無い部分で躓くとイライラしてしまう性格なのでさっさとやってしまうことにします。
KORG DSS-1
古いシンセはトップパネルが蝶番で簡単に開くのでリペアや清掃のときは楽です。
前回に引き続きの使用する小道具たち。

レック株式会社 水の激落ちくん アルカリ電解水100%で基盤の洗浄にも使えるし、当然プラスチックや塗装を痛める成分はありません。
何よりも某泡系洗浄剤よりもよく汚れが落ちます。

レック株式会社 水の激落ちくん
http://www.lecinc.co.jp/mizunogekiochi/
TAMIYA セラグリスHG こちらもプラスチックを溶解してしまう成分が入っていないスライダーやノブなどのプラスチックパーツが使われている部品や鍵盤などに使えるいわゆるボロンナイトライドグリス

TAMIYA セラグリスHG(TAMIYAショップページ)
http://tamiyashop.jp/shop/product_info.php?products_id=87099
サンハヤト株式会社 ニューポリコールキング PJR-S120 接点復活剤は色々あるのですが、今まで色々と使ってきて“その後”どれだけ長持ちするかで最近はこれです。
接点の汚れを落とすだけなら各社各製品に対して効果の違いは無いと思うのですが、その後の接点保護力が個人的には一番長持ちしているのではないかと思っています。2年前に洗浄したロータリーポッドがいまだにスムーズに動いています。

サンハヤト株式会社 ニューポリコールキング PJR-S120
http://www.sunhayato.co.jp/products/details.php?u=1387&id=01031
KORG DSS-1
こういう作業の時は昔のシンセはバラすのが楽です。基盤も各パーツごとに分かれていたりで「ああ、ここがアレか」と一目で理解できます。

そんなわけで、スライダーやスイッチの基板を本体から外し、接点復活王を一吹きして10回程度スライダーを動かします。
タクトスイッチ類は全く正常に機能しているので今回は接点復活はしません。
その後、セラグリスをたっぷりと注入。
KORG DSS-1
ギシギシというかガスガスというか金属と基盤がこすれた嫌な音と、何よりもボリュームスライダーを動かしたときのガリと、データースライダーの数値飛びがすっかり改善されました。

2013年3月25日月曜日

KORG DSS-1 リペア:鍵盤を清掃&グリスアップ

電源が入り、特に重要なアナログ部のVCFやVCAなど音を出す部分において不具合が見当たらないので大掃除を開始です。

ちなみに昔のシンセサイザーである程度のメインストリーム向けの機種は2VCO-6音ポリならば、VCFもVCAもそれぞれ12個ずつ搭載するという力技の基板を実装しているシンセがほとんです。
鍵盤に順に指を置いていき、ラウンドルーティングで4番目が鳴らない!や、3番目だけ音痴!といった症状はアナログシンセならではです。

さて、掃除です。
作業時間は4-5時間ほどでした。

鍵盤でよく見られるのは板バネ方式とスプリングバネ方式ですが、板バネの方が打鍵した感触は良いのですがピアノ鍵盤的な“重さ”が無かったりします。
スプリングバネだと木製鍵盤的な“カックン”の感触が出しにくかったりで最近は両方を採用したりと様々です。

とりあえず蓋を外してみるとKORG DSS-1は板バネ方式でした。
まずは鍵盤の裏に指をひっかけて手前に引きます。
すると奥のツメの“ひっかかり”がずれて外せるようになります。
鍵盤の裏に指をひっかけて手前に引きます
このときに、どうしても古い機材ですので鉄板と鍵盤の噛み合わせが悪く、なかなか外れないときがありますが決して力を入れてはいけません。
鍵盤プラスチックも“風化”していて柔らかさが無いために力をかけすぎると折れたりしてしまいます。
「なかなか外れないな」と思ったら黒鍵はわりと簡単に外せるので周りから外しつつ、色々と角度を変えたりしながら知恵の輪的に外します。
本体にひっかかっているのは先端のツメだけ
鍵盤を構成しているのはこの3つの部品で、本体プラスチックと錘と板バネです。
KORG DSS-1鍵盤
KORG DSS-1鍵盤 最近のシンセでは錘の脱落防止に裏蓋まであったり、打鍵感向上のための色々な工夫がしてあり3ピース構成とか色々とありますが、古い機種ゆえというか、ともかくメンテナンスは簡単なのでありがたやです。
ちなみにスプリングバネ方式もバネを外す“ひっかき棒”を持っていればわりと簡単に分解することができます。

コツを掴むまではイライラしてしまいますが慣れると簡単。どんどん外していきます。
鍵盤の清掃は、レック株式会社 水の激落ちくん(レック社商品ページ:http://www.lecinc.co.jp/mizunogekiochi/index.html)でやるとして、 その他に必要なのがグリスです。
ばらしてみるとKORG DSS-1の鍵盤部には元来、グリスは使用されていないことに気づきます。
ハーネステープとグリス なぜグリスを使わないのかというと現在みたいにプラスチックにも使える非浸食タイプのグリスが当時は無かったなどでしょう。

ですが、このDSS-1の打鍵音は中の鉄板に乱反射して金属的なバネを弾いた音やプラスチックが“当たる”カチャカチャと嫌な音がしますので、プラスチックにも使えるグリスを使用します。
タミヤ セラグリスHG(タミヤ社ショップページ:http://tamiyashop.jp/shop/product_info.php?products_id=87099
鍵盤をグリスアップ
このときに、指にグリスがついてしまいますので、そのグリスがついた指で板バネを磨く感じで触ると板バネがピカピカになります。
消音効果を期待して鉄板部にハーネステープを
本体側はいわゆる鉄板むき出しで音の反射がひどいので、鉄よりもビニールの方がいくらかマシということでマスキングします。ハーネステープは電子部品パーツ屋さんで200円程度で売られています。
コンビニや100均で売られているビニールテープとは“伸びる”“縮む”“糊の跡がベトベト” がかなり違いますのでハーネステープの方がオススメです。

鍵盤をはめていく
今回はやりませんでしたが、プラスチック鏡面加工用の磨き剤も最近では通販で手に入れやすいので、そこまで徹底してやるのも良いかもしれません。
ただし、プラスチックの黄ばみは紫外線による分子レベルでの変色なので交換しか方法がありません。

ちなみに600円で買ってきたグリス10gは半分ほど使用しました。

KORG DSS-1鍵盤の清掃終了
“思い入れ”がある機材をやっと手に入れたからには末永く大事に使っていきたいものです。

2013年3月22日金曜日

KORG DSS-1 リペア:電源ソケット変更

最近は、“昔、お金が無くて買えなかった”や、“部屋の中に置いたら楽しいだろうな”といった、機能的、技術的には“ガラクタ”なモノに興味ありまくりです。

ということで買っちゃいました。
KORG DSS-1
KORG DSS-1です。12bitサンプラー+12db/24dbアナログフィルター(VCF)+アナログエンベロープ(VCA)です。
サンプラーとして波形を用意しなくても内部のデジタルオシレーターにいくつかの基本波形をもっているので2オシレーターのデジアナシンセとしても・・・きっと・・・使えます。

で、DSS-1のシンセサイザー的なレビューはリペアが終わってから書くとして、当面はこの20年以上前のシンセサイザーのリペア作業も書き留めておこうと思います。

まず最初に困ったのが「電源ケーブルが無い」です。
昔のタイプの長方形2pin電源ソケット
昔のシンセにはよく見かけたこの長方形の2pin電源ソケットですが、最近はケーブルすら売っていません。
専門家でもなくこういった電子部品について詳しいわけでもありませんが、交流電源はどちらがプラスマイナスではない事と日本製品はアースに漏れないように2pinソケットで電子機器は作られている事くらいは知っていますので、近くの電子パーツ屋さんで今どきの電源ソケットを100円で購入。
電源ソケット部
本体のふたを開けてみると最近の何でも一体型基盤ではなく、細かく分かれている基盤ということと、電源ソケットが基盤からコネクターで分離できるということでカチッと取り外し。
昔のタイプの長方形2pin電源ソケットを交換
昔のタイプの長方形2pin電源ソケットを交換 特に基盤ともつながっていないので、下手なはんだ付けで熱で部品を痛めるといったことを気にしなくてもいいしがっちり取り付けました。

昔の方がイイ部品を使っていた云々は“音的”になのか“技術的”になのかで全然違ったりします。

このKORG DSS-1も中を見てみるとパーツごと機能ごとに基盤が数多く分かれていますが、それは当時はそうしなければ作れなかったということで、今はシールド(絶縁)技術が凄くてほぼ1枚の基板で済んでしまい、それは低コスト化や故障率の低下という恩恵をもたらしているそうです。
付け替えた今どきの電源ソケット
掃除もしつつ新しい電源ソケットを本体に装着しました。
上の写真と見比べるとかなりの汚れが落ちているのが分かると思いますが、最近、機材関係の汚れ落としにつかっているのが、
古い機材でも安心の成分が水の激落ちくん
レック株式会社 水の激落ちくん(レック社商品ページ:http://www.lecinc.co.jp/mizunogekiochi/index.html)です。
某マジック●ンもよく汚れを落とせるのですが、あとで水拭きをしっかりしないとプラスチック類はどうしても早く痛みがちです。
この激落ちくんは成分が“水”ですのでそういった心配がなく、しかも某○よりも汚れが落ちます。

話が脱線しますが、汚れを落とすという事は汚れと本体の隙間に水が入り込むことで汚れが分離することで、その隙間にどれだけ細かな水の粒子を入れ込むかということになります。

電源ONで復活!KORG DSS-1 昔ながらのアク灰で汚れを落とすという原理に近いアルカリ電解水で汚れを落としてしまえというのが激落ちくんです。
しかも、水ですのでプラスチック、金属などを変質させません。
宣伝しても何ももらえませんがおススメです。

ともかく、見える部分の清掃をして電源ON。
鍵盤の総バラシ+グリスアップや液晶バックライトの交換など、まだリペア作業は続きますが、昔のKORGだなぁと懐かしみながら音を堪能中です。

2013年3月10日日曜日

KORG KAOSSILATOR PRO+

関連リンク
メーカー :
 KORG
カテゴリ :
 KORG ダンス/DJ
商品紹介 :
 KAOSSILATOR PRO+
昨年暮れのバタバタも落ち着き、年末~正月はソフトウェアやアウトボード類の追加をしたりしながら、今年は久しぶりにVo.と前回よりも気楽に遊ぼうということでライブやら新曲やらを準備していこうかなと活動中です。

友人のライブなどを見てると最近はめっきりパソコン+DJコントローラーというスタイルが多く、大きな鍵盤をセットアップして華麗にシンセを弾きまくるというのは廃れたようで、流行に左右されやすい私も、なるだけリアルタイムでグリグリバチバチできるけれども“コンパクトなセット”にしようかなと思っています。

YAMAHA QX3 さすがに今更シーケンサーという骨董品で機器を制御しようとは思いませんが、個人的にはノートパソコンを置くスタイルもあまり好きじゃないし、かといってポケットにiPodを忍ばせて口パクならぬプレイパクするのもな~ということで、今年探しているモノは“小さな音を出せるヤツ”となりそうです。

オケをパソコンで出そうがサンプラーで出そうが結果は同じですが、モチベーションとか色々と大人になると大変なんです。

そんなわけで2013年2月に新音色を追加されたKORG KAOSSILATOR PRO+を買ってきました。

KORG KAOSSILATOR PRO+
以前にKAOSS PAD(エフェクター)の方を触ったことがあるので何となく、「あのパッドで指をグリグリするヤツの音源内蔵版かぁ」くらいは理解していてKORGのディザームービーなどを見ながらポチって実際に触ってみてアレレレッと思ったのは、
  • シンセサイザーサウンドの調整・変更・エフェクターのON/OFFすらもできない。
  • 当然、音色パッチの追加・変更も不可。
  • KAOSSILATOR PRO+の内蔵シンセ(?)をパッドで遊ぶときはパッドがMIDI NOTEでは無く、MIDI CC(ベンダー操作で音階を決めているようなもの)で制御。MIDIコントローラーモードではパッドからMIDI NOTEを吐き出すという不思議仕様。

KORG KAOSSILATOR PRO+こんな感じでKAOSSILATOR PRO+の内蔵サウンドを使ってパッドの指の動きをパソコン側DAWにMIDI録音してもMIDIノート情報じゃないのと、中でどういう計算をしているのやら、そのMIDI CCを再生してKAOSSILATOR PRO+に送っても毎回違う音が出ます。

一期一会ではないけど、本当にフレーズや音色音程が一発仕様です。ある程度慣れてくると指先で微調整しながら狙った音を出せるようになってきますが、ノリで弾いてノリで音を出すシンセと捉えてもらった方が良いと思います。

で、そんな購入意欲を削ぐ事ばかり先に書いていますが、

それでもKAOSSILATOR PRO+は楽しい。

です。

これで筐体の作りまでちゃちだったらゲンナリしてしまうところですが、ボタンや外装などは良い感じの作りで本体も金属フレームで重く、パッドを叩きまくってもブれないしっかりとしていたハードとなっています。
あと、S/Nも含め音質は最高ではないけれども、決して低コスト機のようなノイズまみれな事は無く、下記ムービーのようにライン録音ですがなかなかの音質です。

KORG KAOSSILATOR PRO+
KAOSSILATOR PRO+はSDカードでポン出し用のWavなどを管理保存できます。
ただし、想像以上に何もできませんので、パソコンでWavを用意してエディターソフト経由で本体に挿したSDカードに保存という使い方です。

KORG KAOSSILATOR PRO+
大容量SDカードが使えますがこれは今後数年間の“SDカードの需要と供給”に合わせているだけでKAOSSILATOR PRO+ではポン出しボタン4つ分のWavしか使いませんので入手しやすいSDカードなだけマシといった感じです。

本来は、エレクトロやダンス系みたいなフレーズループで楽しむ方が“よく分からない何もできない制御不可能なアルペジェーター”なKAOSSILATOR PRO+の使い方だとは思いますが、無理矢理演奏してみました。
前述どおりMIDI録音してもそれを毎回同じ音で再生できないので動画と音声は別録りですがリアルタイム録音というやつです。
こんな感じだよといった雰囲気を掴んでもらえればと思います。

さしあたって旧機種から買い替える必要性は薄いのですが、音源を全く調整できないということで今後も新音色追加のたびに“+”が増えるのでしょうか?